今日の白谷雲水峡は、名前にふさわしく濃霧。数メートル先も見えない森の中は、昼間だと言うのにとてつもなく暗い。だだでさえ照葉樹の森は暗いのに濃い霧のせいで太陽の光を遮断して色が単純化している。ツアー中そんな森の中を僕らは、本当にゆっくりと歩き色を探す。苔の緑が霧の粒に反射して緑色の霧となる瞬間、すばらしい森だと感じられます。／赤松

　この日の僕はポーターの仕事。PEAKSの取材陣６人分の食材を鹿ノ沢小屋に上げる仕事。日帰りで淀川登山口～宮之浦岳、永田岳～鹿ノ沢小屋の往復。

つらい行程の中、永田岳を越えて振り返るとそこにある奇石に時間と苦しさも忘れる。何も考えず、何分か見つめる。「ハッと」気がつきまた厳しい下りを鹿ノ沢まで降りていく。／赤松